ご覧いただきありがとうございます。

顎関節症の方を診ていると、頭痛(こめかみ)首や肩の痛み・こり(以下:
頸部痛)を併発している人は本当に多いです。
※海外、日本の教科書や論文でも副症状として必ず記載されています。
私もこれを発見し、顎関節(症)の勉強を13年前にはじめました。

また当院にお越しいただいている顎関節症の方の86%が、同症状を顎関節症の症状と共にもたれていました。


今回は頸部痛がテーマ


ではなぜ?多いのでしょうか?
答えは2つ考えられています。
関連痛としての頭痛・頚部痛
※いわゆる原因箇所から響く痛み
目・歯・顎関節・耳など多方から頚部には痛みやこりが生じる可能性があります。

顎関節の動きが悪いために、首や肩の動きでカバーするために生じる痛み
※専門用語では「顎関節の可動域制限のため、頚部・肩部で代償運動が出現する」
=痛み・こりとなります(図1参照)


イメージしやすいように画像をご参照ください(図1)

左の方は顎関節症(開口制限)のため、
指を入れようとすると頭が前に出ています。
簡易的な検査で3本縦に入ればOkというものです。

右の方は3本余裕で入っており、
頭も真っ直ぐな位置にあると思います。

体の構造は頭を前に出した方が開口量は増えますが(開きやすくなる)、
この頭を前に出す筋肉が”肩こり筋”と言われる筋肉達になります。

画像
図1

ポイント

顎関節の問題が1次災害で、
2次災害で頭痛・頸部痛が起こるということです。

つまり顎関節に問題がある方は、
顎関節の問題が解決しない限り頭痛・頸部痛は改善しない可能性がとても高いということにないます。

「マッサージや整体に行って揉んでもらって2〜3日は良いんだけど・・・」
このようなコメントをよく聞きます。

これをご覧の皆さんは、
顎関節症の視点で少し理解していただけたのではないでしょうか?

減らない「肩こり」

今年の8月に医師・歯科医師・保健師が中心の、
第34回 日本産業衛生学会全国協議会という1,000人規模の学会で教育講演をさせていただきました。

少しその中で「肩こり」についてお話しました。

2022年 厚生労働省「国民生活基礎調査」では、
男性・女性ともに1位が「腰痛」、2位が「肩こり」です(図2)

肩こりは女性の方が倍多い結果になっており、
男性が10人に対して0.5人程度、女性は1人となっていました。
2019年、2022年と3年でほとんど変化はありません。

つまり現時点ではうまく国としても対応ができていない、この可能性が高いと読み取れます。

画像
図2


最後に
少し本書を読んでいただき、ご参考にしていただければ幸いです。